メルとの出会い

4/8

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
30分ほど車を走らせたら、洋子さんの家に着いた。 車の音に反応して、ワンワンと大型犬の声が響く。 大きな囲いに、大型犬が3匹。 ゴールデンレトリバーが2匹とセントバーナードが1匹。 その大きさと声に圧倒される。 「こんにちは~!よく来てくれたね~!」 「なんか久しぶりに会うねぇ~」 「そうねー」と母と洋子さんが話をし始めた。 これは長くなりそうな予感。 私は檻の中で吠え続けるゴールデンレトリバーに近づいた。 ブリーダーにあまり良い印象がなかった私は、赤ちゃんを産まされていた(・・・・・・・)その犬に憐みを含んだ目で近寄った。 「・・・大丈夫だった?疲れた?」 なんの曇りもない綺麗な目で、尻尾を振ってハッハッと見つめ返してくる。くーんくーんと言いながら、「撫でて遊んで」と訴えているのがわかった。 その健気な姿が可愛くて愛おしい。 「いい子だね。」 檻の隙間から指を入れると、ペロペロと舐めた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加