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30分ほど車を走らせたら、洋子さんの家に着いた。
車の音に反応して、ワンワンと大型犬の声が響く。
大きな囲いに、大型犬が3匹。
ゴールデンレトリバーが2匹とセントバーナードが1匹。
その大きさと声に圧倒される。
「こんにちは~!よく来てくれたね~!」
「なんか久しぶりに会うねぇ~」
「そうねー」と母と洋子さんが話をし始めた。
これは長くなりそうな予感。
私は檻の中で吠え続けるゴールデンレトリバーに近づいた。
ブリーダーにあまり良い印象がなかった私は、赤ちゃんを産まされていたその犬に憐みを含んだ目で近寄った。
「・・・大丈夫だった?疲れた?」
なんの曇りもない綺麗な目で、尻尾を振ってハッハッと見つめ返してくる。くーんくーんと言いながら、「撫でて遊んで」と訴えているのがわかった。
その健気な姿が可愛くて愛おしい。
「いい子だね。」
檻の隙間から指を入れると、ペロペロと舐めた。
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