君は誰よりも

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僕を立ち止まらせた、その内容はこうだ。 「そっか!シンカくんなら大丈夫だよ!きっと誰よりも使いこなせちゃうはずだよ!」 「え?」 「えーとそのーなんていうか、そういうのって結構得意そうだし!」 「…僕が?」 「うん!シンカくんって人一倍、何かに気付くのが凄い気がするんだよね!まあ気がするだけだけどね!」 「…気のせいじゃ…」 「でもこういうビビビーと来たのって結構当たるんだ!それにシンカくんって大人っぽいし!」 「そ、そうか…」 それらは根拠の無いふわっとした言葉だったが、カナタはまるでそれが真実であるかのように疑いを持たず、僕も彼の言葉に驚いて立ち尽くした。 何かに気付くのが凄いというのが僕の「特技」を指しているならば、根拠は無くとも確かな的を得ている話であり、カナタは僕が思っているような「欠点まみれ」の人間ではないのだろう。 「それよりなんかあって壊れたりしちゃったら僕に相談してよ!実は僕のお父さんエンバーディー作ってる人なんだ!きっとタダですぐに直してくれるはずだよ!」 それどころか一緒に何かをしたわけでもないこの関係でそこまで当てるなんて、下手をすれば自分以上の「観察眼」を持っている可能性がある、それにこいつは思ったよりも良いやつそうだ。 「う、うん…ありがとう…」 カナタとは一体何者なのか、彼は何を考えているのか、エンバーディーについて何を知っているのか。 しかしそんな興味が湧いてきた直後に何者かが肩を叩くとカナタは振り返り、宝石のように眩しい笑顔をそいつに向けた、そいつは僕も知っているクラスの同級生だった。
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