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すると少女の目はキュッと一瞬、萎んだ。恐怖におびえているようにも見えるし、何か知っているようにも見える。
「貴女、何か知ってるんだ。言ってほしいな」
柔和な口調を心がける。これが男性刑事だったら、男性がいくら柔和に問いかけても、少女は泣き出してしまうかもしれない。
いや、今現に、私なんかが聴取しても、泣き出しそうな顔ではあるが。
言いたくないと言いたげに、口がキューッと横に動く。知っている人か。
「うーん、貴女がやったんだ?」
すると、彼女の眉間の皺が深くなる。
「違います」
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