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 物怖じもしないが、特に表情に変わった様子がない。その態度に、違和感を感じる。谷田部刑事も同じだった。 「知ってるって顔ですねぇ」  にやりと口角を上げる、谷田部刑事。  するとマスターの顔が、やや戸惑いの顔になる。眉を上下させた後、沈黙を守るように唇をかみしめる。 「あんな子供かばって、何になるんですか。かばってどうするんです?」  畳みかけるように、谷田部刑事の顔が辛辣な感じになった。  谷田部刑事がテーブルに置いた写真を、私はもう一度手にする。舞さんがまだ会った事がない、少年の写真を私は手にした。  アイドル顔のイケメン少年。  野縄晴海の方は、かわいいを通り越して美人顔だった。少し外人に似た感じの、美人。しかし、きつそう。
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