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「頂きます」
谷田部刑事と私の言葉が同時に、発せられた。
砂糖を二杯入れ、コーヒーフレッシュを入れる。
「あぁ、これは旨いですね。ホッとしますよ」
谷田部刑事は、目を細めた。
本当に美味しいコーヒーだった。苦みが口の中に広がった後、甘みが来る。素敵な香りは良い香りが漂う。
マスターは、静かにその場から遠のいた。
どこへ行くのだろう? と内心、首を傾げていた。
二分ほど経過しただろうか。
「あら」
容姿が随分整った、少年と少女が表れた。
私も谷田部刑事も写真を確認する。本人で間違いない。
「お父さん、有難うございます。感謝しますよ」
谷田部刑事は、マスターの方を見て微笑んだが、マスターは短く嘆息し晴海さんに「もう逃げられない。事情を説明しなさい」と告げた。
少年も後ろで縮こまっている。
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