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 私は、晴海さんの顔を覗き込んだ。  晴海さんは、また押し黙った。  小学生の時、両親が離婚し、母はさっさとお金持ちの男と再婚した。それから晴海さんの心は荒んで行った。 「あの男の子の事は好きだったの?」 「……。うん。でもあいつ、舞ちゃんの事会ったこともない癖に好きになりはじめて。マジ、むかついて……」 「だから、ナイフで刺した?」  こくん。と晴海さんは頷く。  幼稚くさい、呆れた理由だった。言葉を失いそうになったが、私は続ける。 「舞さん、あなたの事言わなかったんだよ。貴女がやったって」 「えっ」  不良じみた少女の顔がまた、柔らかくなった。根は素直な子なのだろう。どの子も。
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