1/11
590人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ

 山下班長はすがるようにいう。お陰で帰宅が遅れそうだ。  叔父の病院へ。  須原舞が、今日、病院へ運ばれたという。聴取を行ってほしいという事は、言われなくても分かる。 「お相手から、ご指名だそうだ」 「はぁ……」 「聴取するなら、君じゃないと嫌だと言うんだとよ。刑事課から要請だ」 「了解です」  私は早速、刑事課の署員と一緒に、堀井総合病院へ向かった。 「厄介な、女の子でなぁ」  苦笑いしながら、その刑事は言う。谷田部俊巡査部長。私より一つ上だ。実は結婚しているかどうかは、話には聞いていない。  
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!