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翌日。
私はムスッとした高田三和さんと、向き合っていた。
それだけではない、彼女の顔には影が差していた。
「貴女、須原舞さん知ってる? 三年生の」
「はい」
そこは認めるらしい。顔はどんどん下へ向いていく。何か心当たりがあるのだろう。
「お兄さんと、舞さんは付き合っていた?」
むろん、そうでない事は知っている。しかし、確かめるように聞いた。
「まさか」
三和さんは頬が少しピクリと、動いた。不快に感じたようだ。
「ん? 何で怒るのかなぁ?」
場所は取調室ではない。所轄内の、小さな部屋。
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