オマジナイを使う者の登場

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「はじめまして。リリスと言います」 とある高校の2年の教室に、1人の異国の美少女が転校してきた。 長く美しい銀髪に深海のような瞳、クラスメート達は一気に夢中になった。 その中でも一際強く見つめている少女がいた。 容姿は普通で平凡、しかしリリスを見つめる目には情熱が宿っていた。 その視線に気付いたのか、リリスは少女を見て、ニッコリ微笑んだ。 少女の胸は高鳴った。 そして偶然にも、リリスの席は少女の隣になった。 二人の仲は急速に近くなった。 明るく社交的なリリスと、消極的な少女。 少女はやがて、胸の内をリリスに話すようになった。 小さい頃から消極的で、中々友達が作れず、悩んでいたこと。 一つ年上の3年の先輩に、密かに憧れていることを。 けれど先輩はいつも一緒にいる女の子から、ほとんど離れることはなく、楽しそうにいることを。 「そうだったの…。ねぇ、もしよかったら、良いこと教えてあげましょうか?」 リリスの地元は、オマジナイが流行っていたらしい。 少女は教えられるままに、オマジナイを行った。 その効果は次の日、すぐに起こった。 廊下で先輩とすれ違った時、ぶつかり、荷物を落としてしまった。 先輩は申し訳なさそうな顔をしながら、荷物を拾うのを手伝ってくれた。 そして謝ってくれた。 わずかながらも、一緒にいれた。
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