自暴自棄の代償

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それに、仕事は休まなければいけない。だけど何と言って休めば?こんなこと正直に言えるわけないじゃないか。 会社で噂になるに決まっている。 後は、何と言っても… (あの母親から産まれた私が…あの女の血を引いてる私が、まともに育てられるわけないじゃん…。) 壊れた両親を見てきた私には、親になる自信なんて微塵もなかった。 (でも…何かの間違いかもしれないし、薬局で検査薬だけでも…) 頭では分かっているけど行動が追い付かなかった。 (恐い…。真実を知るのが恐いよ…。) 考える程に身体の震えは大きくなっていく。 これが、自暴自棄になった代償なのだろうか。 こんな時、頼れる人物が私には誰もいない。 孤独感と不安感で胸が押し潰されそうだ。 独りで毛布にくるまって小さくうずくまる。 (今…店長が側にいてくれたらどんなにいいかな。) そんな虚しい願いを抱いた時だった。 ーーピンポーンーー 下の方から、チャイムが聞こえてくる。 (こんな時間に…誰?まさか…店長?) 私はどこまで馬鹿なんだろうか。あの人は今仕事中なんだから来るはずないのに。 そう、言い聞かせてるのに身体は期待することを止めなかった。 ふらふらした足取りで下に降りていく。 (そう言えば…前にもこんなことあったっけ。私が風邪引いた時にわざわざお見舞いにきてくれて。あの時初めて店長を好きだと自覚して。)
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