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「いやいや、そんな藤塚さんを見たらほおっておけないよ。今から病院に行こう。」
店長の言葉が私の心を揺さぶる。
止めて。これ以上…優しく…しないでよ…。
「本当に大丈夫なんでっ…。」
「俺には大丈夫に見えないよ。ほら、俺が車で乗せてくから…」
「もう、止めてください!!!」
気がつけば思い切り叫んでいた。どこにそんな力が残っていたのかというくらいの声量。
身体がビリビリ震えている。
限界だった。はあ、はあ、と肩で息を荒げながら息をする。
一度溢れた感情は止まらなかった。
「何でそんなに優しくするんですか?私の気持ちに応えれないなら突き放してくださいよっ…。」
両目から大粒の涙が零れていく。拭う余裕なんてなかった。
「藤塚さ…」
「冗談で告白するわけないじゃないですか!!本気に決まってるじゃないですか!でも、店長が困っていたから冗談にしなきゃなって…思って必死に頑張って…心の中で諦めようとしてるのに、優しくされたら諦められないじゃないですか…。これ以上っ…うっく…私の中に…入ってこないでくださいよ…ひっく…」
「……ごめん…。」
低い声で一言謝られ、自己嫌悪に陥る。分かっている。店長は悪くない。
完全な八つ当たりだ。こんな自分が嫌い。
「あなたの…優しさは…残酷ですよ…。私は…どうすればいいんですか?教えて…くだ…さ…」
最後まで言い切る前に、私の意識は遠退いていった。
死ぬかもしれない。だけどこれでいいんだ。どうせこの先生きていても幸せになんてなれないんだから。
「藤塚さん!!」
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