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それからの私がまず行動したのは、学校に行く事だった。
私に屈辱を与えたあの男に復讐する為なら、恐怖なんてどうでもよかった。
手口は単純。学校で有名な不良の男子を誘惑し、実はクラスの男子にひどいことをされた。どうしても許せないから再起不能になるくらい虐めてほしい。
「そうしたら…何でもしてあげる」と、涙ながらに上目遣いで見つめるだけ。
それだけで、簡単に動いてくれた。元々不良だから、人を痛め付けるのに抵抗はないから、良心も痛まなかったらしい。
あの男を即座に呼び出し、徹底的に追い詰めてくれた。
暴力はもちろん、カツアゲにパシり。仲間も呼び出して集団リンチ。
私の目の前で殴ってくれた。あの時のあいつが私を見る表情は滑稽だった。
たった3日であいつは学校に来なくなり、笑いが止まらなくなった。
ああ、何て男は馬鹿な生き物なんだろう。もっと早くこうすれば良かった。
思うがままに操れた自分にひどく興奮した。
一度騙すとあの快感が忘れられなくて何度も騙した。
出会い系にも手を出し、とことんお金を巻き上げた。
それで、援交の噂がクラスで流れて友達が離れていくことにもなった。
証拠の写真がないので退学にはならなかったが。
もう、どうでもよくなっていた。私には友達も恋人も家族も要らない。
どうせ裏切られるんだから最初からなくていい。
だけど、自分がやってることが屑だって分かってる。生きる価値もないくらい。
だから、沢山の男を騙してお金が沢山貯まったら…全てのお金と一緒にビルから飛び降りて死のう。
唯一の価値である身体を売って得たお金と共に死ねればきっと最後に幸せになれるはず。
そう、思っていたの。あと少しで目標金額が貯まって、やっとこの苦しみから解放される。
そんな時に…
「………」
「…良かった。体調は…大丈夫かい?」
貴方に救われてしまったんだ。
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