2、変化

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あれから私は、援交を止めている。店長に言われて反省したから…ではない。 一度見つかったことにより、警戒心が出てきたからだ。あの時は店長だったからよかったけど、他の人に見つかる可能性もあるかもしれない…と考え、ほとぼりが冷めるまでは止めることにしたのだ。 結局、退職の件は、先伸ばしになった。どこのお店も人手不足で、こっちに回せる人がいないらしい。 なので、4月に新入社員が入るまで待ってほしい、とのことだった。まあ3ヶ月なんてあっとゆうまなので、大して気にしなかった。 そして、ある変化があった。 ――ガチャ―― 自分の帰る時間になったので、レジの点検をとるためにお金をもって事務所の扉を開ける。 そこには、店長が椅子に座ってパソコンをいじっていた。店長は、私に気づくとへら、と笑って声をかけてくる。 「やあ、藤塚さん。お疲れ。」 「お疲れさまです。」 機械的にそれだけ返すと、お札を数え出す。 「………き、今日はいい天気だね。」 「え?雨が降っていたと思いますけど。」 「あ、あれぇ?そうだったかなぁー?あ、あははは!!」 わざとらしい乾いた笑い声が響く。最近店長は、いっつもこうだ。事務所で二人っきりになるとどうでもいい話題で話しかけてくる。 それも、さっきのように意味が分からないことを言って、会話が終了するパターンだ。 店長が、何を考えてそんなことをするのかなんて、どうでもいい。 ただ、理解ができなかった。自分の意見を思いっきり否定した相手にどうしてそんな親しそうに話しかけることができるのか。
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