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およそ一時間の授業を終え、アリシアは自分の部屋に戻った。
「はあ~……」
溜息を吐きながらベッドに体を投げる。ベリルはあれからすぐに別の講義を受けていたが、彼女には初めての事で精神的に疲れていた。
「あんな子ども、私に教えられるのかな」
不安げにうなだれる。
一時間ほどの間に少年が見せた表情はほとんど無く、ベルハース教授の言葉が多少なりとも解った気がした。
小さく笑う程度で、怒る事も泣く事も無い。ただ淡々とアリシアの授業を受けているだけだ。
でも、あの子には感情が無い訳じゃないのもなんとなく解る。普通の子どものように出来ないだけなんだ。
どうすればあの子が喜ぶような事が出来るのだろう。私は何をすればいいのだろう。
アリシアはそればかりを考えて静かに眠りについた。
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