プロローグ

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佐咲柚実との出会いは、大学生の頃だった。 人との付き合いがすっかり苦手になってしまっていた美弥は、自ら人に話しかけるということができなくなっていた。 〝親友〟と呼べる存在にもいまだに出会えていなかったので、どこかいつも孤独を感じていた。 周りはもうグループができてしまっていたので、美弥は一人どのサークルに入るか、考えていた。 特別してみたいこと、一緒に活動したい友人がいるわけでもない。 ーーその時。 『玉井さん!俺らと一緒にやろーよ!』 自分を呼ぶ声に顔を向けると、目の前にはニヤついた男だけのグループ三人組。
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