プロローグ

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それからはずっと柚実と行動を共にするようになり、柚実を通じて新しい友達もできた。 ただ、やはりどれだけ友達ができても美弥にとって柚実の存在は、恩人と呼べるほど特別な存在だった。 親しい友人ができたことがないという話、恋人とも長く続いたことがないという話や、人によっては贅沢な悩みなのでは……、と美弥にとって少しリスクのある話も柚実には話せた。 柚実は、美弥のどんな話も何時間でも時間をかけて、真剣に聞いてくれた。 そして、こう言った。 柚実「よし!じゃあ美弥!これから本当の恋を一緒に見つけよう! 美弥の親しい友達は、あたしでしょ? その悩みはもういらないね。」 何でもないことのように柚実がそう言ってくれたとき、美弥は涙が出そうなほど嬉しかったのだが、柚実には秘密だ。
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