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ーーー嫉妬、だ。
最初は良かったのだ。ニコニコして美しい美弥の周りには常に人がたくさん集まってきた。
だからみんなを楽しませたくて、たくさん話もした。
学芸会の劇では主役のお姫様に選ばれた。
選んでもらったのだから、とセリフをしっかり覚え何度も練習を重ね本番に備えた。
ところが、本番の前日。
最後の練習の時にロッカーに入れておいたはずの、とっておきのお姫様の衣装が、カッターナイフでズタズタに切り裂かれていた。
『なに………これ。……誰が……。』
美弥は見るも無残な状態となった衣装を見つめ、クラスメイトに向けて問いかけた。
その大きな瞳からはいまにも涙がこぼれ落ちそうになっていた。
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