プロローグ

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最初に口を開いたのは衣装係だった。 『……そんなの知らないよ! てかその衣装作るのにすごい時間かかったんだけど。明日だよ?どうするの?』 「……え?だって、誰かがカッターで……。」 『ロッカーに鍵かけておかなかったの? ってか誰よ、こんなことしたの!!!』 衣装係の女子が再びクラスメイトに問いかけるが、もちろん返答はない。 『……他の衣装の最終確認もあるから、お姫様の衣装だけにそんな時間かけられないよ。 美弥ちゃん、なんとか自分で直して、明日出れるようにしてよ。』 「そんな…。この傷を一人で明日までに?」 『そういうことだから。よろしくー!』 周りの女子たちも、みんな自分の作業にとりかかり、美弥を手伝おうとしてくれる者は誰一人いなかった。
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