プロローグ

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美弥は結局一人家庭科室で必要な道具を借り、再び教室に戻ろうとしたときに中から声が聞こえた。 『ちょっとやりすぎじゃなーい?』 『だってさー、美弥ちゃんむかつくんだもん。ちょっと可愛いからって主役もとっちゃうし。あたし前からこの役したかったのにさー。』 『自分の作った衣装にカッターで傷つけるとかやるよねー。』 『絶対、美弥ちゃんって調子乗ってるよね。 男子からもちやほやされてさー。美弥ちゃんといると男子と仲良くできるから一緒にいたけど、あたし前から美弥ちゃんって好きじゃなかったから。』 ……耳にしてしまった言葉に、絶望した瞬間だった。 今まで美弥が友達だと信じていた子達は、友達なんかじゃなかった。 自分は、ひとりぼっちなのだと思わされた。
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