プロローグ

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夜の海に、身を隠す様に静かに浮かぶ漁船。 何かを探すかの様に、数人の男漁師達がライトで海面を照らし灯りが交差する。 その時………。 突然『それ』は水渋きと共に現れた。 バッシャーン! 「出たぞー!」 「あ、あれが、伝説のHalf-length first(半身魚)なのか?!」 多くの漁師達が何百年と追い求めては、取り逃がしていた半身魚は この世の者とは思えない程に美しい、女神の様な人魚だったのだ。 「は、早く捕らえろ!」 「殺すなよー!生きたまま捕らえるんだ!」 「これで大金持ちだぞー!」 まだ漁師になって間もない1人の青年は、そのあまりの美しさに驚きを隠せなかった。 彼女(Half-length fish)は、白銀の長い髪を潮風に靡かせ、水渋きと共に軽やかに宙を舞うと青年に向かって微笑んだ。 青年は、目を見開いたまま動けなくなってしまった。 彼女は、右手を一振りすると シャキン!と金属音と同時に、長い鋭利な5本の爪を出したのだ。 そして、青年の隣に居た漁師の男の首を串刺しにした。 ビシャ! 青年の顔に血渋きが飛んだ。 「!」 そのまま、男は海の中へ連れ去られた。 「しまった!ヤられた!」 「なんだ!あの長い鋭利な刃物は?!」 「そんな情報は聞いてないぞ!」 漁師達は大騒ぎした。 青年は、Half-length fishが潜った暗い海を、ただ唖然と眺めていたのだった。 あれが、Half-length fish?! 一瞬だけ見えた。 彼女が身に着けていた、長いチェーンのネックレスには、古風な珍しい鍵が下げられていた事を。 あの鍵は………? あの美しい人魚が、Half-length fishなのか………?
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