【第11話】恐怖

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【第11話】恐怖

 かわや君がくしゃみをした。 咳き込むような「音」も聞こえる。 (あまりにも人間っぽすぎる・・・ いや ・・・人間?!) 「「ごめん・・・風邪をひいて・・」」 その声ですら鼻声で、以前のかわや君の声と少し違って聞こえた。 ついに鈴は悟った。 KAWAYA君モードはAIではない。 生身の人間!!! 全身の血の気がひいてゆく。 どこまで「盗聴」もしくは「盗撮」されていたのか。 自分のプライバシーを!!! 相手が幽霊や妖怪よりも人間であることの恐怖が支配して、鈴は腰がぬけて這うようにトイレから出ようとした。 「「まて!!鈴!! ごほごほ・・ 俺の声、 聞き覚えなかったか? あと、ネットで検索しろ。 KAWAYAくん、KAWAYAちゃんバイトって・・。」」 鈴は今までの生涯で一番早く思考回路を動かした。 「もしかして・・・ 壮太・・にいちゃん?」
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