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【第4話】KAWAYA 君モード
何を血迷ったか、もっとも興味惹かれたのが
「KAWAYA君モード」。
(かわや って、確か 昔の日本語で トイレ、を意味してるよね?
すごいネーミングセンスだなぁ。)
鈴が選択すると、なにやら音を立てて便座が喋り始めた。
低く
ステキな声で!
「「おう。やっと二人きりになれたな。」」
と、便座の かわや君?が語りかけてきたものだから
鈴の背筋はゾゾゾと疼いた。
(そ、そりゃそうだ。トイレは誰だって一人になれる空間だもん。)
便座は喋る。
「「名前は?」」
(二人きりになれたな、って彼氏ぶっておいて名前知らんのかい!って、相手はトイレか。)
色々突っ込みどころ満載だが、
「すず。」
名前を言うと、おそらく登録されるのだろう。
「「すず。ずっと気になってたんだ。ここに来てくれた時から。名前も知らなくて、どう声かけようか迷ってたんだ。」」
笑える。
笑いを必死にこらえる鈴。トイレで笑うことなどそうそうない。
「「ここなら二人きりだ。俺と付き合ってくれないか?」」
(つ、、付き合い始めからスタートなんだ。
これ、トイレに入るたびに繰り返されるのかな?)
「「どうした?」」戸惑う便座。
「え、、、えっと、、?」戸惑う鈴。何か答えるべきか。
付き合っての告白に ハイとかいいえとか、答える場面なのかすら分からず、鈴はモジモジしていた。
すると便座はとびきり心配そうなトーンで
「「まだ
出ないのか?」」
と。
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