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【第5話】モード変更
「ねえちゃん!」
太一がトイレの外からノックし、呼びかける声で鈴は我に返った。
(い、いかん、、、
なんだよ、出ないのか?って。それは、トイレだからつまり、アレが出ないのか、って聞いてる?
まさか、アレが出たかどうかのみならず、アレが液体か個体か感知するセンサーとかもついてる?)
「ねえちゃんトイレなげーよ!モードなににしたの?」
太一の笑い声が聞こえ、鈴は焦った。
こんな怪しい KAWAYA君モードを選んでいることを太一に知られたら、絶対にしばらくネタにされるに決まっている。
鈴は別のモードに変えようとディスプレイに手を伸ばした。
「ねえちゃん、大?」
「うるさい!」
他のモードを見ると、本当に訳の分からないものばかりだ。とりあえず、「受験モード」に変えようと画面に触れた。すると、
「「すず、
もう行っちまうのか?」」
と聞かれた。
(モードを変更しますか?的な確認メッセージがKAWAYA君モードだとこうなのね。。)
所詮、AIだ。鈴は無視して 受験モードに切り替えた。
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