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十二月の寒い空気の中……、かかり稽古を終える頃には縮こまった体からは湯気が立つほど温まる。
いい疲れを感じながら白い息を吐きながら呼吸を整える。
「瞬君!!稽古しよう!」
西村先輩に呼ばれた。
『西村一馬 』
姉貴と同じ歳のこの人は昔から、姉貴と兄貴と三人で市の代表として一緒に大会を派手に暴れていた。
団体戦小学生の部はほぼこの三人で常に闘い
入賞決めていて俺は憧れた。
西村さんの顔立ちは凛々しく悪くないんだけど、姉貴の恋人の長瀬さんに比べると
……惜しいッ!
浮いた噂のない爽やかな純粋な人。
俺はこの人は好きだ。
違う道場で中学からは隣の学区で、剣道部で活躍していたけど、ちょっと不良ぽい感じだったけど根本が変わらないから
時間あれば来てくれて遊んでくれたり
俺達の中学校に剣道部復活した時も、他中の剣道部のOBにも関わらず喜んでくれて、手伝ってくれた。
この人も我らがK高剣道部のOB
ただし…剣道部の黒歴史の渦に巻き込まれた代。
監督の代替わりと共に、一番悪い習慣が戻ってしまった。
そんな時の部員だった。
鳴り物入りで、親父の卒業したかつての
強豪校K高に夢と希望と改革精神もって
入部した兄貴とやはり名のある仲間たち。
活躍すればするほど…三年生のやっかみ買う
その時の三年生は…俺が嫌いな和田伸之っ!
レギュラー外されたって言うのもあるけど
ある日の練習試合での選手でない一年生のミス。
それを理由に、兄貴含めた1年生が、連帯責任…折檻された。
「監督っ!先輩っ!それは違う!間違ってる」
西村先輩は身体張って兄貴達を必死に守ってくれたんだけど、兄貴は、同級生守って大怪我してしまい、選手としては難しくなってしまった。
西村先輩も大怪我負いつつも、兄貴守りきれなくて…苦しんだ。
当時の監督の駄目っぷり。
部員の腐敗っぷり。
それを正すために、後々今の監督含めたOBOG父母会が動いて今の体制に戻った。
連帯責任やら理不尽な先輩の監督の制裁のない頃に……。
本来のK高剣道部に…。
だけど…OB・OG…動くの遅すぎたよ。
兄貴は二年生からは表舞台から降りた。
思っていたよりも怪我が酷すぎたから。
今も後遺症に苦しんでいる。
今でこそ…会社の仕事普通に出来るけど
将来的に不透明で大変だった。
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