レジェンドと飯を食いに行く

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金曜日には無かったのに………。 いったい何があったんだろう? 形のいい濡れたような唇……。 女がキスしてみたい唇ってきっとこれなんだろうな。 乾さんのその唇の端に傷がある。 どうしたのか聞いても、 「まっ、大人も色々あるんだよ」 って、教えてもくれなかった。 会社の納会で何かあったのかな? 心配になる。 ……酒のせいで何かあったのか? それとも酒癖悪くて? 本当にどうしたんだろう。 だけど、焼きあがった肉を勧められて 一口食べた途端…… 俺はそんな事を忘れた……。 だってさ 「あぁ~♪幸せぇ♪」 今日は姉貴と兄貴がいない!! いたら....こんなタン塩食えねぇ! 特に姉貴ィ…!あんなに綺麗な顔なのに 食い意地張ってるし……。 兄貴も人に焼かせて、食うばかりだし。 ダメだろ~こんなに分厚いの 焼肉なのに....焼肉ってさ… 夢中になって食べた。 「いい食いっぷりだな さすが男だな お前の姉さんも....いや」 何か言いかけて、焼きあがった肉を口にしている。 食べながらまずは納会の結果聞いた。 体力続く限り総当り戦 結果は....さすがです!としか言えない。 それから、高校時代の話をした。 俺が何より驚くのは、今の今まで彼女がいない事。 その顔で?その体で?その身長で? うっそーだぁ! 上杉監督の冗談だと思っていた。 話をしていても何故だか姉貴に話がいく。 姉貴と乾さんとの出会いは、姉貴が小学生の時だ。 セレクションの候補の当時中3の道場の先輩方を連れて親父が某県で二度目の後期合宿しているK高へ連れて行った。 その時に親父が姉さんを連れて行った。 いずれ....って考えてのことらしいけど、 何よりも好奇心旺盛の姉貴が親父の条件達成してついて行ったとの事だ。 その頃の兄貴はまだ四年生で、体も平均よりもちっこいし連れて行かなかった。 姉貴いない二週間いっぱい、兄貴と遊んだ記憶がある。 俺は改めて聞く。 姉貴はどんな奴だったのか?と。 合宿終わって帰ってきた時、姉貴は強くもなったけど怖い人になっていた。 「もう剣道なんて……」と一時は引きこもりがちになっていたり……なんだかよくわからない。 剣道においても、確かに強くなった。 ただ、なんだか荒れた剣は小学生らしくはなく強いけど怖すぎた。
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