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「そうだ!ガキん時の事
怪我させた事謝っといてくれ
そう言われたんだ
姉ちゃんなんだよそれ?」
「あぁ…?なによ…謝っておけって
別に今更....怪我…の事なんか
ずっと忘れていたのに
自分で思い出させて…なによ…いま…」
言いかけて姉貴は
しばし考え込む
「ホント頭良いのにバカ…
直接謝ってくれれば良いのにね
昔の事も…みんな....」
ん?みんなって?
そう思ったけど…
「男って素直になれないんだよ
俺もそうだもーん♪
…とにかく!伝えたからね」
「そういうもの?
慶さんは自分で謝るよ」
姉貴がまた怖い顔して睨む
そのあと…くどいから…
「人によって違うぞッ!
一般的な男はきっとそういうもんだよ
あっ!姉ちゃん
肉入り焼きそばが大盛りで
四百円だっておごって!」
俺は唇もごっとなにか言いたげな
姉貴の小さい手を引っ張って
その屋台へ向かった
香ばしいソースの香り…たまんない~
大人の事情は俺にゃわからない
一つわかったのはこの姉貴を
俺の師匠は気に入ってるって事?
もしかしたら苦しい恋してる?
姉貴には長瀬さんいるのに?
そんな気がした....
俺と乾さんの師弟関係は今年も続く
新年度の稽古はいつなんだろうな…
乾さんについて純粋に強くなりたい
受験勉強と並行する事になるけど
この春俺は高三…最後の夏を目指す
今度こそ…!
乾さんや兄貴が高校一年生で立った
あの華やかな場所に!
[完]
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