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やってきた新年と姉貴
乾さんに頼まれた姉貴への伝言…
言えないまま…大晦日で
大晦日の我が家は女達が忙しい
親父とおじいちゃんとおばあちゃんは
なんだかのんびりしてるけど…
俺は兄貴と連れ立ってアメ横へ
姉貴はおふくろとおせち作ってる
毎年恒例の豚バラ煮込み…
豚の角煮…昨日から仕込みしていた
あれを雑煮に入れて食うのうまいんだよな
今年は姉貴の担当
俺が台所に顔を出した時
ふんわりと鰹節の香り
「潤!瞬!アメ横行くなら…」
おふくろが買い出しのメモと
がま口を俺らに渡す
兄貴がおふくろと話してる時…
姉貴に話しかけるチャンスあったけど
タイミング悪く…姉貴に電話
それは…
「あっ!慶さん♪」
角煮の大鍋と煮物の鍋…
それを見ながら姉貴は
長瀬さんと話してる
嬉しくてたまらないのは…
声が弾みまくってるからわかる
姉貴はわかりやすい人だから…
どちらにしても…
乾さんからの伝言…まだ話してない
今更な謝罪は…自分ですればいい
そう思うけど…男だしな
変なプライド持つから…
俺ら男って生きモンは…
素直に謝れないんだよな…きっと
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