第二話

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 慈しむ様に、タロウの両手が私の頬を包み込んだ。 「言葉もわからない俺と一緒にいてくれた。ただ側にいてくれた。それがどれだけ俺にとって嬉しくて心強かったかわかる?」 「私、もう周囲に何を言われても構わないよ。タト君ともっと話したい。私にとって初めて出来た友達だもの。私、柔道部で鍛えてタト君守るよ!」  時間の長さなんて関係ないと思う。何故なら、私はこんなにも惹かれているのだから。 「いや、そこは男の俺が」 「いやいや私が」 「いやいや俺が」  一瞬見つめ合い、あの時の笑顔のままで笑った。 「安心して。婚前交渉はしないから」 「え? 結婚するの?」 「俺は、キーホルダーを渡した時から決めていたよ」 「会えなかったらどうしていたの?」  苦虫を潰した様な顔で、タロウは私のほっぺをつねった。 「会えたからいいんだよ」  タロウは私のおでこに接吻をした。緑色の瞳が、私を捉えた。 「好きなんだ」  ほっぺに接吻をし、タロウは顔を赤く染めた。そばかすが、宝石の様に輝いて見えた。 「好きだよ、ハナコ」  母が言っていた言葉がその通りになった。初めての友達が、私の彼氏になった。父はどう思うだろうか。今度こそ、干物になるのではないか。 「俺だけの宝物だ」 「トレジャーハンターだね」     
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