雨とバス停

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それから数日、私は特に代わり映えのない日々を送っていた。 いつもと変わらず暇だった私は、ふらりとお寺に立ち寄った。 せっかく立ち寄ったからには、何かお参りをしようと思いお賽銭は投げずに手だけを合わせた。 かれこれお寺に寄ることを始めてからというもの、願うことは大体1つでそれは居場所が欲しいというものだった。 自分から心を開いて人と関わればいいものを、拒絶されるのが怖くて孤立してしまう。そんな弱さと、かといって構ってもらえなければいじけて不貞腐れる浅ましさが悪循環してしまう。そんな自分が大嫌いだった。 こうしてみるとまるで自分が信仰深い人に見えて、なるほどこうして居場所を無くしたひとが、出家をするのだなと余計なことを考えてしまった。 そうして、顔を上げるタイミングで後ろから声が掛かった。 「あ!この間の!」 なんだと思い振り返ると、印象的な綺麗な顔があった。バス停で会った男である。 「あ、バス停の」 「そうそう、覚えててくれたんだ、うれしいな」 会いたくないと思っていたが、まさかこんなところで再開するとは思わなかった。 「ねえ、なんのお願い事してたのー?」 へらへらと笑いながら聞いてきた。
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