04.***酒精***

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 粥の上澄みは、二日酔いの朝によく飲まれる。病人食に近いどろりとした白濁の重湯を作りながら、散らかった室内を手際よく片付けた。華炎が動き回る間、北斗は廊下で大きな欠伸をしてから身支度を整え始める。普段から入り浸る友人は、着替えを含めた私物を勝手に持ち込んでいた。 「……うぅ…」 「吐く、なら……外っ」  都一の陰陽師と呪詛返しの専門家は廊下に並んで、庭に昨夜の酒をぶちまけた。
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