17.***贄代***

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 貴族相手の言葉遣いを捨て去り、少し語尾を強めて促した。一斉に貴族達が悲鳴をあげて逃げていく。無様な姿を見つめる北斗は肩を竦め、後ろで睨みを利かせていた同僚たちを振り返った。 「そんなに怯えることないのに、な」 「悪霊でも見たのではありませんか?」 「おやおや、ついにおれも悪霊扱いか」  たちの悪い笑みを浮かべた陰陽師たちは、書きかけの札を放り出して帰宅準備を始めた。
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