0人が本棚に入れています
本棚に追加
母の遺品を整理していると、昔の日記が出てきた。
そこには、今から約50年前、父が転がり込むように家に帰って来た日のこと。
父の車の中に、警察官風の衣装や小道具のほか、
大量の札束が入ったジュラルミンケースが積んであったこと。
それを見た母は恐ろしくなり、その夜のうちに、
ケースを絶対に見つからない場所へと隠したこと。
翌朝、父が車の中の荷物のことを聞いてきても、
「夢でも見たのでは」と嘘をつき通して、
父が死ぬ最期の時まで真相を告げずに後悔していることなどが綴られていた。
母が隠した、恐らく三億円は、まだどこかに…。
最初のコメントを投稿しよう!