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みなみたまこうとうがっこう。
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小学生になった頃は 一人でいることがごくフツウだったと思う
ボクはあまり気にしていなかったし 周りも気にしていなかった
女子と遊ぶことはあったが 男子との遊びはボクに合わなかった
あるとき担任が ボクと遊ぶように仕向けていたこと を知った
いくら子どもだって そんなことは云われてもしなくなってくものだ
高学年になって・女子と遊ばなくなったし 話すことも苦手になった
いろいろと自覚するようにはなった・でもその変え方が解らなかった
ボクは寄り道して 多摩川の土手から離れた草原でボクの時間を過ごした
中学生になって・男子は小学校が同じとか部活が一緒だとかという基準で
女子はもっと複雑に グループがくっついたり離れたりを繰り返していた
そんな周囲を見てて・ボクはそのどこにも属してないことが解った
高校生になって・何も期待はしていなかったし 失望もしなかった
南多摩高等学校を選んだのは 公立でボクの学力で無理せずいけた
電車と徒歩で自宅から通える高校・というのが理由といえば理由だ
状況は よりはっきりとしてきたが・ボクからどうにか変えようとは思わなかった
悩みは他にもいろいろとあったし・どの悩みを重く考えるかは ボクの裁量にある
高校一年生の二学期 自分の席で本を読んでいると・頭の上の方から声がかかった
『何を読んでいるのですか』
『一人が大好きなのですね』
無視をしても話しかけてくるのを止めようとしない
「邪魔しないでくれないか」
フダンほとんど話をしないボクでも 大声を出した
だから みんながびっくりした顔でボクを見てきた
その後も・声をかけるのを止めようとはしなかった
『宿題 忘れていませんか』 『授業中に寝てはだめです』
『無視 しないでください』 『や っ ほ ぉ~ です』
「話し相手は ボクは必要としていないから」
『それ 嘘ですね・シュシュには分かります』
「だから必要ないって・シュシュ? て何だ」
『答えてくれましたね 木偏に冬の柊子で シュシュです』
高校生になってまで自分のことを シュシュと愛称で呼ぶ
それ以来 シュシュにつきまとわれる高校生活が始まった
それは 高校を卒業しても 一人暮らしを始めても続いた
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