シュシュ

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シュシュ

南多摩高等学校を卒業して 一人暮らしを始めて これまで いろいろな仕事してきた 清掃員 警備員 引越し 一般事務 居酒屋 ファミレス 広告社 ガソリンスタンド カラオケ店 コンビニ ドラッグストア 郵便局 イベントスタッフ ティッシュ配り ポスティング プラカード持ち 交通量調査 着ぐるみ 列並び エキストラ 葬儀社 (水商売関係は経験が無い) 場所は・少し離れたトコロを選ぶ 期間は・長くて3か月 短くて2時間というのもある ボクに合う仕事を選び・生活とのバランスを考えたい もちろんボクの方が わがままなことは分かっている 働かざる者は喰うべからず のコトワザ通りであろう 比べてシュシュは とても元気だ だんだん シュシュの衣類や私物が増えてきた それは仕方がないが 出しっぱなしや脱ぎっぱなしは止めて欲しい・特に下着は困る 部屋に家具が増えた・折りたためるタイプの三面鏡 リサイクルショップで 買った物なのだろうか 化粧品も揃って 自然素材を好んでいるようだ シュシュは地元アイドルグループをあきらめなかった 『シュシュ アイドルの面接に行ってきました』 『12人も集まって みんなで合格したんです』 全員合格でもダイジョウブなのか 『〔ヤホッココマチ〕という名前になりました・漢字だと〔谷保娘小町〕と書きます』 シュシュは ”夢”に向かっている 『月末までに いろいろと書類を提出しないといけません・シュシュにできますか?』 確かにシュシュには 難しそうだ 『マナージョアさんは 谷保天広告社(やほてんこうこくしゃ)の 山野(やまの) 瑛美(えみ)さんという ステキな女性です』 マネージャー だ 『テキパキしてて シゴトガデキル女性 ってこんなカンジ といえる見本の方です』 思い出した 確か高校を卒業した年の秋ごろに 谷保天広告社で一週間ぐらい働いたことがある パソコンのデータ入力が中心の事務作業をした 山野 瑛美さんは専務として会社で働いていた パートに対して威張ることもなく リーダーとしての仕事をごく当たり前にしていた 女性らしさがあって女性を主張することはない  働いて 初めて出会ったタイプの社会人だった  シュシュは ”夢” に向かって走り始めている ボクは 選ぶべき方向 を決めければいけない ボクに意見をするのは ボクの裁量にあるわけだから
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