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小学生に上がったばかりの春。
幼稚園の頃から比べると校区が広がり、集まった同級生は格段に増えた。
入学式で、同じ幼稚園に通っていた友達も確認出来たので僕は内心ホッと安心する。
そんな中、入学したばかりで目を爛々とさせている同級生達とは違い、彼女はまるで氷の様な表情を浮かべて皆と肩を並べていた。
彼女の名前は朱鷺野。
見守る保護者もないまま、薄汚れたランドセルを背負い、初めての学級会が終わって早々に一人で下校した事を次の日の朝一番に友達から名前と共に聞かされた。
クラスが違う事もあり、一学期中は朱鷺野と言葉を交わす機会は殆どなかったと言ってもいい。
何れにしても、彼女は他の同級生とも交流はない様だったが・・・・・・。
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