思っていたよりも。

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 もちろん初対面でもある彼らは互いのことを何も理解出来ていない。  なればこその選択である―――のだか、碧哉がこうやって比較的あっけらかんとしている中でここまで警戒されてしまうのはなかなかに久しいので、どこか堪える、のではなく。  完全に、楽しんでいる。  だからこそ、彼は笑顔を崩すことはない。  「んー……じゃあ俺がこーちゃんに質問していこうかな。そうすれば、話題に悩むこともない、よね」  「いや、でもそんな……」  「大丈夫、俺はね、不老不死になりたいって言われない限り、怒ったりしないから。こーちゃんはそういう性格じゃないってなんとなく分かってるから、大丈夫だよ」  こうして唯一の本音を吐く時も、彼はやはり、笑顔を崩すことはないのである。 ○○○  不老不死に、なりたい。  そんなことを願う人間がいるかもしれない可能性と、なってしまうかもしれないというわずかな可能性。  この十一ヶ月の間、様々な人間の話を聞いてきた中で、幾人かいた歳を取らず永遠を生きる狂者たちを、紅は知っている。  そして、自らはそうなりたいと願ったことなど、一度もない。  翡翠碧哉は、その状況下に望んで陥った者たちを許さないと、口にした。  その際、彼の目の奥に宿ったさっきは、紛れもない本物で。     
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