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幸せな一日の始まりである。しかも日曜日だ。僕は例のパチンコ店に入った。今日も景品カウンターにはミナガワさんがいる。僕はミナガワさんを見ながら、パチンコ台を触る。
相変わらず遊び方は知らなかった。だが、ビギナーズラックというものは本当にあるらしい。適当に台を操作しているだけの僕が、当たりを引いてしまったのだ。
『やっぱりハッピーな一日だ』
店員はすぐに空のドル箱を持ってあらわれた。
慌てていて気がつかなかったが、その店員はミナガワさんだった。僕はドキドキした。ミナガワさんは微笑んで、口をパクパクと動かした。
なぜかミナガワさんの声が伝わってこなかった。
騒音用リモコンの効果に違いなかった。でもどうしてなのだろうか。ミナガワさんにリモコンを使ったことなど一度もない。理解に苦しんだ。どこでどう使ったのかと、記憶を手繰っていった。
あッ……。
僕は思い出した。そして、同時に身体が震え始めた。そういえば、昨日、パソコンの画面越しに、裸でよがり続けるあのアダルト女優に……。
ミナガワさんは清楚な表情を崩さず、にこやかに、僕を見ていた。
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