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「はじめまして、あたしはアイリス、このダンジョンの主をしてるわ」
アイリスはふてぶてしい表情で見詰める捕虜達に向けて自己紹介を行い、それを聞いた捕虜達は一瞬呆気に取られた表情を浮かべたがすぐに一斉に爆笑を始めてしまう。
「……っこいつ等」
「……ああ、気にしないでいいわよ」
いきなり爆笑を始めた捕虜達に対してラリッサは激昂して声を荒げかけたが当のアイリスは涼しげな表情でそれを制し、その間も爆笑を続けていた捕虜達は漸くした後にそれを収めると大きく肩で息をしながら口を開いた。
「……っくく、ダンジョンの主だと、薄い混血の蝙蝠獣人風情がよくもそんな出任せを言えた物だな、か、感心したぞ」
「……へっあの時魔力を消されちまったのには驚いたが、大方そこの臆病者の騎士団長やそこの負け犬どもの魔力で強化されたんだろう?そしてこいつ等にちやほやされていい気になって御山の大将に祭り上げられたって所だろうぜ、見るからに頭緩そうだしな」
「ああ、魔力で強化されてなけりゃあんなに容易くやられる筈がねえ、てめえに砕かれかけた顎はまだ痛んでやがる、その御礼に頭の緩い好き者そうなその面ひいひい言わせてやるぜ」
「俺もてめえに腕斬り落とされちまったんだ、その御礼に足腰立たなくなるまでひいひい言わせた後でその腕叩き斬ってやるぜ」
中隊長に続いてエルフ兵達は野卑と呪詛がない交ぜになった表情で嘲りの言葉を吐きながらアイリスの魅惑的な肢体をなめ回す様に見詰め、その様子を目にしたラリッサとサーシャが思わず眉を潜めていると扉が開かれて水の入ったコップと軍用ビスケットが盛られた皿が盛られたトレイを手にしたイライザとエリーゼが入室してきた。
今まで嬲り尽くし汚し尽くしてきた2人の姿を目にした捕虜達は喜色を浮かべ、一方ラリッサとサーシャは突然の2人の登場に戸惑いの表情を浮かべながらアイリスに声をかけようとしたが、アイリスが侮辱された瞬間から山積みになった廃棄物を見る様な目で捕虜達を見ていたミリアリアはそれを制する様に目配せを行い、それに気付いたラリッサとサーシャが凡の事を察して沈黙していると、アイリスが涼しげな口調で捕虜達に告げる。
「……あらあら、あたしは休んでる様に言ったんだけどどうやら彼女達は貴方達に配膳したいみたね、まあ、良いわ、お食事でもしながらゆっくりお話しましょ」
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