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「やべ、来たっ!お前らバレないようにしろよ」
教室に入ろうとした途端、中から慌ただしく、でもひっそりと物を片付ける音が聞こえた。
「こらー席つけよ。授業始めんぞ?」
同時に背後から担任が入ってくる。
この理由は分かってる。明後日は俺の誕生日だからだ。入学して早二年と十ヶ月・・・確かに俺はまだこのクラスに馴染めてないが、それでもクラスメイトの一員。この前の体育祭の優勝だって、俺のパン食い競走の一位があってこそだ。
そういえば、ついこの間も佐藤さんがされてたっけ。でもまさか同じ手を使うなんてな。本人に察されたらサプライズの意味ないんじゃないか?
まあ、こんなに必死になってやってるんだ。素直に喜んでやるとしよう。
ー・・・二日後
「先生、わたし本当に先生のクラスでよかった!」
「リレーでこけた時の先生の顔忘れらんねーよ」
「お前ら・・・全員でこんなサプライズをしてくれたのかっ!?卒業までもう少しだけどよろしくな!」
「・・・」
「ちょっと俺くん、ドアの前で立たないでどいてくれる?」
・・・ふん、サプライズなんてくだらない。
こんなヤツらの中に加わってたまるものか!
ようやく勘違いに発見した俺くんであった。
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