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「俺の両親…親父は昔ここにいた。親父は足を洗おうとして失敗し、殺された。ジジイは組織でトップクラスの殺し屋だった親父の子供…俺を手元に置いておきたかったらしい。両親を殺してまで」
「それが僕と一体何の関係がある」
ナハトは無視して言葉を続ける。
「ただでさえ両親が死んでショックだったのに、その両親を殺した連中からの特別教育だ。十三年間、人を殺す為だけに生かされてきた操り人形。だから俺は―」
ナハトは何かを思い出したように言葉を切る。
「美龍、初陣よ。ナハトもサポートにまわってくれって」
沈黙も束の間、レイファが部屋に入ってきて困惑はかき消された。ナハトの方はいつもの無機質な表情に戻っている。
「標的はこれ確認して。ここから突き当たりに武器庫があるから、美龍はそこから自分に合う銃を持っていってね。確かガバメントもあったはず」
「了解」
レルファの横をすり抜けて、「行くぞ」というサインを送るナハト。その姿を見ながら、龍輝は無言で部屋を出て行った。
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