魔王の昼食

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その様子を目にしたミリアリアは真っ赤な顔で頷いた後にアイリスの所に近付くと少し躊躇いながらアイリスの太股に跨がり、扇情的な下着に飾られたアイリスの魅惑的な肢体を真っ赤な顔で見下ろしながら口を開いた。 「……お、重く、無いか?」 「……フフフ、大丈夫よ、とっても軽いわ」 ミリアリアの問いかけを受けたアイリスは蠱惑の笑みを浮かべながら水差しを手に取り2つのグラスに水を満たした後にその内の1つを手に取り、それを確認したミリアリアは身を捩ってもう1つのグラスを手にした後にアイリスと向かい合う。 見上げるアイリスの淡い瑠璃色の瞳と見下ろすミリアリアのサファイヤブルーの瞳、2人の瞳は互いの姿を映し合い、2人は視線を逸らさぬままどちらからと無く手にしたグラスを差し出し合う。 2人の差し出したグラスが触れ合い硬質の小気味良い響きが軽やかに舞い、2人はその音色に誘われる様に手にしたグラスを相手の口元へと運び合った。 ミリアリアの差し出したグラスがアイリスの唇に触れるのとほぼ同時にアイリスが差し出したグラスがミリアリアの唇に触れ、それを確認した2人はゆっくりとグラスを傾けて互いの口内に冷たい水を静かに注ぐ。 「……んくっ……んくっ……んんっ」 「……んっくっ……んくっ……んくっ」 アイリスとミリアリアは小さく喉を鳴らしながら冷たい水を飲み、その何処と無く扇情的な互いの姿を目にした2人は瞳を仄かに潤ませながら互いが注ぎ込んでくれる水を喉を鳴らせて飲み合った。 2つのグラスは瞬く間に空になってしまい、アイリスとミリアリアは少し名残惜し気にグラスを互いの口から離して、空になったグラスをテーブルの上へと置いた。 アイリスは空になったグラスに再び水を注ぐと軍用ビスケットを手に取りグラスの中に入れ、それを確認したミリアリアは真っ赤な顔で鹿肉が盛られた皿を手にした。 ミリアリアが真っ赤な顔でフォークを手にしているとマスタールームの扉が遠慮がちにノックされ、ミリアリアがその音に思わず身を固くしているとラリッサの遠慮がちの声がドア越しに響く。 「……し、失礼します、アイリス様、い、イライザ様とエリーゼの部屋に運ぶ食事を取りに来ました、さ、サーシャも一緒、です」
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