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プロローグ 解説役の彼女
その1 出会い
何処から説明すればいいのかはよくわからない。
物語の一部はは僕が生まれる前から始まっていたのだから。
でも取り敢えずは彼女の事から話してみようと思う。
それが僕にとって時系列的に一番自然でわかりやすいからだ。
◇◇◇
僕は彼女を高校時代から知っていた。
知っていると言っても当時は名前はおろか話した事も無い。
ただ制服で近所の公立女子校の生徒だと知っていただけだ。
ただ通学ルートが近いせいか僕は彼女をよく見かけた。
行き帰りの電車で、駅ビル内の本屋で、同じく駅ビルのファストフード店で。
特に見た目が変わっているという訳では無い。
いや、よく見ると美人だとは思う。
顔はかなり整っている方だ。
でも僕が彼女を意識するようになったのは彼女の持つ雰囲気だった。
凜としていて、それで何処か周囲か浮いた感じ。
どこか孤高というか他の女子と何か違う雰囲気。
実際彼女は常に単独行動で群れているところを見た事が無い。
もう一度言うが当時は話をした事も無いし話しかけた事も無い。
ただ本屋などで見かけると、ああ今日もいるなと思う。
高校生だった時の僕にとって彼女はそんな存在だった。
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