君との出会い(1)

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君との出会い(1)

憂鬱な気分にさせるのはなんだろう? 心がふわふわ… 今いる場所 目の前に広がる綺麗な海 大きな波の音に心が癒される 風が吹いてる 寒いけど そんなのどうでもいい ゆっくりと歩く 崖の上から見る海が最後。 「…もう、疲れたの。ごめんなさい」 スマホにそう記し下に置く。 もう少しで楽になれる…怖くない。生きてる方が怖いんだよ。 前のめりになって そう ゆっくりと… その瞬間 《ちょっと待った!!!!》 「…」 目の前に起きている状況が飲み込めないでいる だって ここ 崖の上だよ?? ふわふわと浮いてる男の人が目の前にいる 「…どいて」 ふいに発した言葉。 《無理!!》 「…どいてよ!死ぬためにここにきたんだから!」 《どかない!てか、そのままさがって!お願い》 「なんでよ…どんな思いでここまで来たかあんたになんか分からないのに!!」 《分かるよ!僕だって僕だって!ここで死んだんだよ!》 「……………」 必死で止める見ず知らずの幽霊??くんの姿に 私は後退りをしてその場に座り込んだ 彼はふわーっと崖の下から私の横まで来て座り込んだ 《…ごめん。びっくりさせて》 「…………」 《でも、少しは考え直してくれたんだよね?ここで死ぬなんて君らしくない。僕は死んで楽になんかなってない。何度も君みたいな人達をここで見てきた。でも、何人かは僕に気付いて逃げて帰った。でも、気付かずに帰らなかった人は……》 「死んじゃったの?」 《……うん。僕の力不足。少しでも生きてる人には生きてて欲しいのに…》 「…………」 横目で彼の姿を見ると当然のように透けていた。 彼は膝を抱えながら座り込み私の顔を覗き込んでいた。 《僕を見て怖くない?》 「…怖くないよ…。」 《そっか。良かった。》 ほっとした彼が笑顔になった。 《あ、僕、佑弥って名前。きみは?》 「…夢菜。」 《よく似てる名前だね。夢菜さん。》 コロコロした笑顔に一瞬だけ可愛いと思ってしまった 「…………ばか!!!」 《え!なっどしたの?》 「なんでもない。てか、死ぬ気だったのに…バカ!!!」 《…………死んだっていいことないよ。》 「生きててもいいことないの!」 周りから見たらどんな状況だろうか 暗闇で1人で崖の上で大声で話してる女が 余計に虚しくさせた
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