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あー…だりぃ………… いつもと違って、てんで駄目だった今日。その理由が何なのか自分でもわからず、気持ちはティーンのそれに似たもやもやを抱えて見慣れた自分の庭へ辿り着いた。 仕事がそこそこ楽だっただけに本当だったらシャワーでも浴びて眠りにつくはずが、何故かやる気のやの字も出ない。自分でもどうにもできない思いからため息がでる。鏡に写った仏頂面を尻目に手をがっしがしに洗い、お決まりのパンイチスタイルになると、何故か冷蔵庫の中のやっすいビールに手を出していた。酒は別に好きじゃない。が、仕事でもめったに飲まないそれを何故か手に取っていた。 時刻は午前2時過ぎ―ーー 歯で雑に開けた蓋を吐き出して、思いきって口に運ぶと久しぶりに感じる苦味と炭酸の刺激。思わず吐き出すのを堪えて飲み込んでみたが、下へと通っていく感覚でさえ気持ち悪くなり、数回喉を鳴らしてギブアップだった。 「……!…まっ……ず」
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