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「仁、このやぼったい子だけどなに?」
入ると同時に私と目があったその人は言った。
体のラインにピタッとそったタイトな黒のワンピースに真っ赤なジャケットを肩に羽織り、黒のピンヒールで仁王立ちするその人から目が離せない。
「えっと…やぼったい…ってわた、私で、すよ、ね?」
恐れ多くも聞いてみる。
「はあ?他に誰がいるの?」
「すすすすすいませんっ、すいません。ごめんなさい。存在がやぼったくて申し訳ありまません。」
ただただ恐怖で訳もわからず謝り倒した。
すると、ツカツカツカとヒールを鳴らしこちらへ歩いてくる。
背中には仁さんの席がありこれ以上、下がれない。
ああ、なんかわからないけどもう終りだな。
そう思った。
そして、目をぎゅっと閉じるとーーー
「ふうん…お肌は悪くないわね。で、早く紹介してくれない、仁。」
た、助かったの?
助かったのか?
て言うか仁さんのことを上からな感じで呼び捨てにするこの人、一体なにもの?
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