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「そう?これくらい出来て当たり前でしょ?臼井の会社でずっと秘書してたんだもの。仁に聞いたけど確かあなたも系列の商社じゃなかった?」
「系列は系列ですけどリストラ組ですし。それにしてもあんな大企業で秘書だなんて…あっ、もしかして旦那さんとの出会いは社長と秘書の溺愛オフィスラブ的な、とかですか?」
つい、少し前に見たドラマと重ねて興奮ぎみに言ってしまい一瞬で顔が青ざめていく。
「あのさ、その頭ん中、お花畑な発想やめてくんない?」
「すいません…」
「旦那とは大学の先輩後輩。自信家で野心家。世の中全て自分中心に回ってるって思ってような鼻につくやつ。絶対にこんなつまんない男、好きにならないって大学時代から思ってたわ。」
「へぇ…そうなんですか。なのに?」
「まぁ、お互いこんな性格だし?自分よりあからさまに劣る人とは付き合えないじゃない?」
いや、その考え方、私には全くわからなくて…なんて言えない。
黙って頷いておこう。
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