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どうやら、ミーティングスペースにいたらしい。にしてもよ?
その言い方!
こっちは人助けをしてやっとで来たというのに…でもまぁ、理由はどうであれ遅れたのは私が悪い。
「遅れて申し訳ありませんでした。」
深々と頭を下げる。
「まぁ、人助けしてたんなら仕方ねぇか。」
「えっ、なんでそれ…」
「お前、アホか。」
「っ、アホって…」
相変わらず朝から既に口が悪い。
「そこの裏にいたんだから聞こえるだろが。」
顎でパーティションを指しながら仁さんが言う。
「てか、人が電話してるのにうるせえったらありゃしねぇ。」
「お電話中でしたか…すいません。」
それは確かに悪いことしたかも。
何せミーティングスペースはパーティションで仕切ってるだけだから当然こちらの声も筒抜けだ。
「それはいいとして。」
いいとしてって人が頭下げてるのに。
つい、ふて腐れ顔になってしまう。すると、
「お前さ、連絡しないじゃなくて出来なかったんだろ?」
「えっ…はい、そうです。実は、」
騒ぎの最中に落としてしまった事を説明しようとしたら手のひらをこちらに向けて話を止める仁さん。
「スマホ、家に忘れたのか?」
「いえ、落とした…て言うか気づいたら無かったというか。」
「はあ?ったく、お前、ほんっと、アホだな。」
ア、アホって…
む、む、むかつくぅ~
そんな言い方ないじゃんね?
て言うか…
「どうして、連絡が出来なかったって思ったんですか?」
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