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とは言え…、
こんな出だしになったとは言え、やる事はやらねばならない。
いつまでもヘコんでいる訳にはいかないし、言われっぱなしもなんだから仕事で挽回するしかない。
「市川さん、何から始めましょうか?」
「ああ、そうだね。早速だけど、今日はこの資料の山を整理して欲しいんだ。フォーマットはあるからそれに合わせてまぁ、後は適当に。わかんなければ聞いて、俺こっちでやってるし。」
「はい、分かりました。」
適当に…か。ある意味、それが一番困るよね。
でもやるしかない。
よし、さっきの失態を挽回するべく、頑張るとしよう。
私はさっき片付けたばかりのデスクにあるパソコンを立ち上げた。
資料は主に在庫管理のものが多かった。
幾つかのカテゴリがあって、それに従って資料と照らし合わせながら入力していく。
実は私、あまり会社内容とかよく分かってないんだよね。
再就職先見つけなきゃって必死だったし。
ざっくりと雑貨屋さん的なのをイメージしてたんだけど…文具とかちょっとした玩具らしき商品が多いのかな?
うーん…入力画面見てても未だピンとこないな。
まぁ、徐々に教えてもらえば良いか。
そだ、取り敢えず、他に社員の人とかいるのか確認しとこうっと。
でなきゃ、またさっきみたいな間違いがあるといけないしね。
「あのぉ…」
「ん、なに?」
パソコンを凝視していた市川さんに声を掛ける。
「他にどなたか社員さんっているのでしょうか?」
「ああ、あと事務が一人いるよ。」
「そうなんですか。えっとその方は今日は?」
「今日は来ないけど次、来た時にちゃんと紹介するわ。」
「あっ、はい。宜しくお願いします。」
そっか、つまりは社長と市川さんと事務の人、三人でこの会社やってるんだ。
随分と小規模なのね。
ちょっと先行き不安になってきたな。
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