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「確かにね。今日はツイてないみたいだね。」
私のブラウスを見ながら市川さんが憐れむ。
そんな事を話しているとドアがパタンと開いた。
すると社長だった。
「おい、新入り。」
お昼食べた後、どこかにふらっと行っていた社長が戻ってきた。
て言うか確かに相手は社長だけどさぁ、この呼び方どうにかなんないのかな?
「なんでしょうか。あの私、確かに新入りですけど楠原って名前があるんですけど。クズハラじゃなくてクスハラですっ。念のため。」
後半は市川さんに向けて言う。
市川さんは肩を竦めると昼ごはんの後に飲んでいた珈琲を一気に飲みほし空いたカップを持ったまま逃げるように簡易キッチンへと向かった。
「クスハラね。まぁ、今はそれより直ぐにこれに着替えてこい。2階上がって突き当りの部屋使えよ。」
と、何やら紙袋を渡される。
この紙袋ってブランドだよね?
「なんですか、これ。」
「言われた通りにしろ。」
「は、はい…。」
な、なんなのよ。
社長だからって偉そうに。
しかも相変わらず新入り呼ばわりだし。
ムカつく。
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