1524人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
担当者との打ち合わせを終えその場を後にする。
五嶋係長は最後まで笑顔で対応してくれたけどきっと呆れているに違いない。
あの場に居た人達も今頃、私の事をネタに大笑いしているに違いない。
「………申し訳ありませんでした。」
せっかく決まった仕事だけど、今朝のことといい、さすがにこれはもうクビだな。
仕方ない。またハロワ通いして探すしかないよね。
そんなことを考えながら頭を下げ続けていると、
「クックックッ……ぶぁっふぁっはっはっ」
と、頭上から何とも豪快な笑い声が。
「えっ?」
慌てて顔を上げると、
「お前さぁ、なにやってんだよ。俺、笑いこらえるの必死じゃん。あー、まだ笑えるわ。」
お腹を抱えて笑う社長。
この人、こんな風に笑うんだ。
ずっと眉間にシワ寄せてたのに。
なんだ普通に笑えるんじゃない。
ほんとだ。人を見かけで判断しちゃ駄目だね。
悔しいけれどこの人の言うことは正しい。
だけど、もう今さらだよ。
こんなことになってしまって…
どう考えても先はないよ。
最初のコメントを投稿しよう!